商品先物の投資時代
私が最初に始めた投資は著書にも書いてある通り「株」でしたが、頼りにしていた投資顧問の先生に言われたこともあって商品先物の世界へ自然に(主婦としては自然に?と思われましたが)移行しました。
でも、まだ先生任せ、先生が急逝されてしまってからは、担当者任せ、という状況に変わりはありませんでした。
ただ、この頃から収益のブレの激しさに「何で?」という私本来の追求心が目覚めてきました。
本格的に勉強しよう!と思い、最初に師事した先生に「中途半端な気持ちならやめなさい」と言われ、厳しい世界だと承知はしていましたが、やってみたいという気持ちに変わりなく、それからは本という本は読み、それを実践して試してみたり無我夢中で頑張りました。
先物取引については、こんな事も書いてあるくらいです。
「先物取引は、非常に専門性・投機性の高い危険な取引です。素人が先物取引によって儲けるということはほとんどありません」と。
仕手筋が意図的に吊り上げたり、売り浴びせたりとストップ高と思えばストップ安続きとか個人投資家には読みにくい相場です。
「どうにかしてこの相場の動きの分析がしたい」 この一念だったと思います。
ハイリターンばかりが強調されがちですが、ハイリスクなのは当たり前 です。私は何でも取り引きしてみましたが、主に乾繭生糸、綿糸、アラビカコーヒー等取り引き量の少ないものをやっていました。
東京商品取引所では1つの価格ごとに競りを行い価格を決めています。
かつては、その競りの仕方は卸売市場で物を競っている様子、又はちょっと前までの株のあの人集りの中での競りの姿を想像してもらうと分かりやすいと思います。
現在ではザラバ取引ではコンピューター内で取引を行っているのに対し、板寄せ取引ではまだ取引時間内に人によって相場を決定しています。
複数の取引価格を中央の人が読み上げ、場たちと呼ばれる人が売りや買いの指示を出し、売り買いの数量が計算されその差が僅かになるまで何度も繰り返し競りが行われます。
そして売りと買いの取引を一箇所に集め、売りと買いの注文が合致されるまで行われるのです。
私はこの過熱感のある独特の雰囲気というか、放送を聞いているのが好きでした。取り引き会社が電話で聞かせてくれるこの放送を聞いている 時を、何とも血が騒ぐような思いで過ごしました。
これは、やがて時代とともに変化して聞けなくなってしまい何とも寂しいと言うか、物足りないという感触を抱いたものです。